個人加盟労組結成の歴史
全国一般労働組合(英語略名…NUGW)は、1955年当時のナショナルセンター総評が中心となって全国の中小合同労組の連絡会として結成され、組織変更を繰り返しながら今日に至っています。全国の組合員数は約3万人です。職場の数は全国に約1700を数えますが1職場あたり平均40名ですから圧倒的に中小・零細企業に働く組合員が中心となっています。2006年1月から上部団体産別は自治労と統合し自治労・全国一般評議会となりました。
1950年から60年頃、全国の中小企業労組はまだ企業内労組が圧倒的に多く、企業内で経営側と一対一で交渉していました。戦後の経済状態も良くありませんでしたがなかなか労働組合の交渉も進展せず、労使紛争が続発しました。しかし、団結の単位が小さい中小企業では、労使の力関係から言えば資金力、人材、権力全ての面で経営側が優位で、労働者の交渉が思うように進展しませんでした。
このような背景から、各県段階で中小企業労組の組織の見直しが進められました。その方法が合同労組方式とか一般労組方式といわれる形態でした。すなわち、今までの一企業一組合方式を改め、今までの企業内組合を一旦解散して、全ての組合員が企業の枠にとらわれずに一つの組合に大きく結集する方法でした。
こうして、全国一般は各県段階で単位労働組合として結成され、そこに組合費を集中して専門的な専従役職員を配置し、労働関係の法律や団体交渉、争議指導などを行うようになりました。従って、現在の組織形態も○○企業労働組合の連合体ではなくて、一人一人の組合員がまず個人で加盟して組合員となり、同じ企業に一定の組合員が、全国一般の支部や分会を会社内に作るという形を取っています。新たに組合規約を作ったり、組合を結成する必要はなく、あくまでも既に出来上がっている組合に加入する形を取ることになります。ただ、多くの場合職場単位に組合員の要求や要望をまとめるため、組合員の団結の単位として支部や分会を作ります。この支部や分会は当然民主的に運営されなければなりませんので、あくまでも運営上の規則は必要となりますが、予め用意されています。
組合は単に正社員だけのものではありません。パートや臨時工、嘱託や派遣労働者など身分の不安定な人たちも数多く加入しています。
全国一般の日常の組合活動は労働組合ですから、当然組合員の職場における、労働条件の維持・改善や社会的地位の向上に努めています。そのために、各職場単位に支部を作り支部の要請に応じて、日常職場での賃金引き上げの交渉や、夏・冬のボーナスの交渉などは、地本の専従者が会社に赴き、社長や委任された役員などと団体交渉を行い、それぞれの労働条件を決定しています。しかし、それぞれの労働条件は支部分会の組合員のものですから交渉の際は当然職場の組合員代表者が、その交渉に同席します。合わせて、組合員同士の助け合いの機能として、全国一般独自の共済や全労済・労金とタイアップした共済活動に取り組んでいます。